「チョコレートケーキと法隆寺」は明日上映ですよ〜!
映画『チョコレートケーキと法隆寺』上映会
会場:若草公民館
日にち:2016年12月21日(水)
上映時間:①14:00〜 ②16:00〜 ③19:00〜
(上映時間は1時間+監督トーク)
参加費:500円(事前予約不要)
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今年9月に開催された「なら国際映画祭」で上映され、観客賞を受賞した作品で、その後、韓国済州島での映画祭にも招待されました。
「なら国際映画祭」上映前に産經新聞に取り上げられた記事をネットで見つけましたので、下段にコピペ掲載させていただきます。
ご近所の皆様、是非お越しくださいませ!!
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児童養護施設出身の若者を描いた映画「チョコレートケーキと法隆寺」。制作したのは、自身も施設で育った向井啓太さん。
退所後、自立して生きる仲間の姿を撮ることは、隠してきた自身の過去と向き合う作業でもあったという。向井さんは「映画を見て、何かを感じ取ってもらえたらうれしい」と話す。
夕日に染まる法隆寺を背景に、鐘の音が鳴る場面から、映画は始まる。「古代から続く金属の響きは、全体を柔らかく包み込み、広がっては消えていく」作中でナレーションも務める向井さんは、寺に近い児童養護施設で5歳から12歳まで過ごした。母親が悪性リンパ腫で他界し、1歳下の弟と、生まれて間もない妹を育て切れなくなった父親が、3人を施設に預けた。
仲間と過ごす施設はにぎやかな一方、当時は門限や外出制限が厳しく、力が強い上級生は「怖い存在だった」という。母親同然に慕う保育士がみな2~3年で辞めていき、別れの2次体験で泣く子供も多かった。
向井さんは小学校卒業後、弟妹とともに父親に引き取られ、家族4人での生活が始まった。父親への反発から「家を出たかった」という向井さんは県立高校を卒業後、奨学金を受けて慶應義塾大に進学。同じ境遇の子供たちにかかわりたいとの思いから、児童養護施設への学習ボランティアに参加したことが、映画を撮るきっかけになった。
撮影は、20歳を迎えた成人式から始まった。会場で10年ぶりに再会した施設の仲間に了承を得て、カメラを向けた。回を重ねるうちに距離は縮まり、入所当時は知らなかった貧困や、虐待を受けた過去を話してくれたという。
映画は3人の仲間の「退所後」を描くとともに、父親とのぎこちない会話や、母親の出自を尋ねて故郷・長崎県五島列島へ赴く向井さん本人の姿も映す。
自身の生い立ちに抱く劣等感や、施設の現状が世間に知られていない悔しさ、父親への怒り。胸に渦巻いていた感情は、撮影を通じた仲間との交流の中で徐々に整理され、「自分自身を客観的に見つめられるようになった」と向井さんは振り返る。
「甘くて苦い過去」と、「生まれ育った故郷への愛着」を題名に表したという同作は、編集期間を入れて約3年で完成。今年2月に東京で開かれた「第7回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」で第2位
(奨励賞)に選ばれるなど、高い評価を得た。「今は作品を完成させた充足感がある」と笑顔を見せる向井さんは、「これから5年、10年かけてでも、この作品をブラッシュアップしていきたい」という。そうすることが自分自身を内省し、将来への新たな歩みにつながると信じているからだ。