10/21 十三夜のお月さま。
夕刻、近くの「工場跡」さんで行われるイベント「月夜のおさんぽ~芭蕉と蕪村と十三夜 ―奏でるお茶会」に向かいながら、大仏池の上に見えるお月様を愛で、振り返れば、まだ夕焼けの名残の西の空。
そして、2時間後。イベント終了後のお月様は冴え冴えと澄みきって、怜悧なほど美しく。いにしえの人達が、中秋の名月の一か月後の、秋深まる季節にお月見を楽しまれたことがよくわかりました。
「工場跡」さんでは、俳人でもある倉橋みどりさんが、「のちの月」にちなんだ芭蕉と蕪村の句を紹介しながら、十三夜の月見についての豆知識などもお話され(中秋の名月は中国で行われていた行事ですが、十三夜の月見は日本独特の風習で、一説には宇多法皇が九月十三夜の月を愛で「無双」と賞したことが始まりと伝えられています。)
工場跡さんの素敵な設えの中、「日+月+星」さんが奏でる透明な音色に心をゆだねて、しっとりとした時間を過ごさせていただきました。
・・・そして、「月よりおにぎり」?
オニギリストAZUMAさん特製の点心や
ラリベルテさんの月夜のマカロンとお薄という美味しい時間もあり
お月見をしていた子供のころの遠い記憶を手繰り寄せては、記憶の中に埋もれていたことなど沸々と思い出しておりました。
倉橋さんが、俳句のいいところとして……
「いい俳句に出会うと、心の中の忘れていた事や意識していなかった事がふっと湧いてくることがある。」と上げておられましたが。
人によっては、それが俳句ではなく、映画だったり音楽だったりアートだったり・・・自分の好きな何かだと思いますが、その何かを通してスイッチが入って、心の中に集積していた小さなものが、ふっと上がってくる。それを大事に振り返り想うことも大切なこととなのでは・・・というようなお話をされていて、大いに同感と思ったのでした。