先日の「春日若宮おん祭」で私がガイドデビューをしたお話です。
(もちろん少々の脚色有り^^)
春日若宮の神様が一日だけお出かけになる「遷幸の儀」。
すべての明かりが消された漆黒の浄闇の中
参道両脇に落とされる松明からの火の粉の小さな光の帯だけを頼りに
大勢の神官達に守られて神さまがお旅所に遷って行かれます。
これはもう「私、今年は行きますから!」と有言しないと実行できないのではと思い、当日ご予約のお客さまに「ご案内致しますのでよかったらご一緒にいかがですか」とアナウンスしました。もちろん全員ご案内希望!(ご予約時に伝えましたら、結構喜ばれているような感触。)
当日は、当初の予約より日程変更やキャンセル等があったりで
参道両脇に落とされる松明からの火の粉の小さな光の帯だけを頼りに
大勢の神官達に守られて神さまがお旅所に遷って行かれます。
榊の枝を用いてご神霊を十重二十重に囲んで、全員が「ヲーヲー」と
警蹕みさぎの声を発しながら神様をお遷しする様子は
本当に神秘的で厳かで神々しくて、初めて接した時などは
身が引き締まるくらい感動したものでした。
あれから毎年
今年も行こう!今年こそ行こう!今年も行きたい!と思いながら
師走の奈良の冷え込み具合にやっぱり来年にしよう・・と
直前に尻すぼみしてしまう「遷幸の儀」。
これはもう「私、今年は行きますから!」と有言しないと実行できないのではと思い、当日ご予約のお客さまに「ご案内致しますのでよかったらご一緒にいかがですか」とアナウンスしました。もちろん全員ご案内希望!(ご予約時に伝えましたら、結構喜ばれているような感触。)
当日は、当初の予約より日程変更やキャンセル等があったりで
私一人でご案内できるぎりぎりの人数になったようです。
それでも複数組のお客さまを、最後まではぐれることなくきちんとご案内できるか・・・実は前日の夜から相当緊張しておりました。
今までにも、お水取りの深夜のお出かけや、おん祭の「遷幸の儀」「還幸の儀」に一人旅の方やリピーターのお客さまをご案内したことはあったのですが、今回のようにご予約時に確約したのは初めてなので責任の重さに押しつぶされそうになっていたのでした。(←かなり脚色)実はプレッシャーに弱いのです。(これは本当^^)
その上に、宿泊以外の「ついて行きたい」メンバー数名もくっついて(いや〜、ツアーガイドデビューが嬉しくて、あちこちで「一緒に行く?」なんて声かけてしまったのですよ。お調子者の私が)こうなったら成るようになるさと開き直って、いざ出発です。
でもその前に・・・「遷幸の儀」の予習です。
地図を片手にどういうようなことが行なわれるのかや
もしはぐれた場合はどうするかなどを説明します。
何しろ神事の間は私語厳禁ですからね。
(携帯電話やカメラの使用や明りが絶対禁止なことは事前にアナウンスがあるのですが、私語厳禁に関しても来年からきつくご案内してほしいです。)
さて、そんなこんなで見知らぬ旅人同士が腕組みあって
真冬の真夜中に神様のお通りを参道でお見送りさせていただきました。
神様が若宮社をご出発される深夜0時。
ちょうど半月の月の出と重なって、それまでの真っ暗闇の世界が
煌煌と月明かりの光に照らされて、ちょっと不思議な感覚でした。
緊張しながらのご案内でしたが
お客さま方には喜んでいただけたように思います。(多分、きっと)
当日ご一緒の皆様、一期一会のひとときを
どうもありがとうございました。
写真1枚目は「遷幸の儀」が始まる前のお旅所の様子。
写真2枚目は上空の月とお旅所の鼉太鼓だだいこ。