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2010年5月2日日曜日

本の話題とGWのとりとめのない話

「GWはお忙しいでしょう?」とよく尋ねられます。
勿論忙しいことは忙しいのですが
すでに3ヶ月前には全日全室ほぼ満室になっているし
(その後に変更等があってもすぐに埋まってしまうところがGW)
BIG WAVEが奈良に押し寄せようが、客室数は変わらないので
普段の日とあまり変わらずに淡々と過ごしています・・・。

とっぷり日が暮れてからの、慌ただしいチェックイン業務まで
すべての準備を整えて、お客さまをお待ちしている午後の時間。
奈良駅周辺や東大寺や奈良公園がどれほどのすごい人波でも
ここ奈良倶楽部の周辺はなんと静かなことでしょう。

で、ゆっくり先日の等伯展の感想でもしたためようかなと思っても
「本日空いてませんか?」の電話が鳴りっぱなしという状況! 
(一度言ってみたかったので太字にしておこう)
これは何もうちだけでなく、そして奈良だけでなく
多分日本中のホテルがそうだと思う。
1300年祭の今年に限ってだけでなく
開業以来21年間ずっとGWはこんな感じ。

‥‥前置きが長くなりましたが。
先ほどから1行の文章を書き終わる間もなくの電話攻勢で
等伯展の感想日記は無理とあきらめ(ふ〜。言い訳完了^^)

本日は、遣唐使というものを現実感を伴って感じられた本を
紹介したいと思います。


1年程前に読友さんから貸してもらった「翔べ麒麟」。

16歳で遣唐使として唐に渡り、玄宗皇帝に気に入られて
日本人でありながら唐政府の高官として異例の出世を果たすものの
72歳で没するまで日本に帰国できなかった阿倍仲麻呂と
遣唐使の護衛士として唐にやってきた青年藤原真幸の二人を
主人公にして、楊貴妃の従兄である宰相の楊国忠と阿倍仲麻呂の
宮廷闘争や、安禄山の乱や、李白や杜甫といった詩人との交流や
渡唐して科挙に一発で合格した阿倍仲麻呂の頭脳と才覚など
国際色豊かな長安を舞台にスケールの大きい物語として書かれた
「 翔べ麒麟」。二人の主人公の胸のすくような活躍と平行して
しっかり史実として 描かれているのが
吉備真備が副使として渡った第12次遣唐使のこと。
日本と新羅の外交対立もあり、唐で奮闘する小国日本の遣唐使達。
(小説では、真備は阿倍仲麻呂の引き立て役的に描かれているのですが・・。)
この遣唐使の帰国船に鑑真和上が乗船されてようやく日本上陸を
果たされるわけですが・・・。
いや〜、もう随分前に読んだ小説ですがものすごく面白かったのです。
遠い遠い時代に、日本の国づくりという壮大なビジョンを持って
大国の全てを吸収しようと若いエネルギーが充満していた時代。
志高い気概が平城京のあちこちに満ちあふれていたのでしょうね。

平城宮跡会場の「歴史館」で見たVRシアターも
奈良国立博物館の「大遣唐使展」も、この小説を読んでから見れば
またちょっと感じ方が違うかも・・と興味深く思ったのでした。

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私の身近にはもう一人、大変な読書好きさんがいます。
毎週日曜日は新聞の読書欄を入念にチェックして
本日も先週に発注したたくさんの本が届いたのですが
中には面白そうなものもあって、これから楽しみ♪

私の読書は2、3冊同時進行でたらたら読みの読書ですが
先日久しぶりに一気に読み終えたのが、幸田文の「流れる」。
こういう文章を書きたいな。上手いなと感心しきりだったけれど
夫は一行読んでギブアップ。
全ての好みが一緒という訳にはいかないものですね。

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今日のブログは、文章を熟考することなく
たらたらと書いてしまいましたが
こういうとりとめのない話もたまにはありということで*