2011年3月19日土曜日
「旅をする」
「直接の被害はなかったのですが、とても旅行する気分になれなくて」
「計画停電や余震で本当に疲れてしまいました・・・」
旅行や観光は世の中が平和で安定していてこその産業かもしれません。
予約取り消しのお電話やメールの中で
春休みの家族旅行やお花見がてらの奈良観光を
皆さんとても楽しみにされていたのがよくわかり、
「旅行を取りやめることが残念ですが、いつかまた必ず泊まりに行きたいです。」・・・と仰って下さいます。
そんな中でも「予定通り出発します」という心強い連絡もあり
私達に出来る精一杯のおもてなしを、心を込めてさせていただこうと
思っています。ありがとうございます。
阪神大震災の後2ヶ月近くほとんど仕事がなかった経験があります。
日本中が自粛していたあの時、GWの何日間に3組の神戸市在住の方が
宿泊されたことが、今でも忘れられない出来事として思い出されます。
その3組の方々が別々に同じような意味のことをおっしゃってました。
「まだ避難所で生活しているけれど、どこか近くの違う所で気持ちを
リフレッシュしたかった」・・・と。
この時は被災から4ヶ月近く経って少し落ち着かれた頃でしたが
そのお気持ちを聞いて、どんなに世の中が酷い混乱状態になっても
「旅をする」という気持ちは人々の心の中からは無くならないのだと感じました。
観光産業なんて世の中の重要産業ではないのだと
つくづく落ち込んでいた時だったので、私にとってもこの出来事は
自分の仕事に誇りを持つ一つのきっかけになったのでした。
今回地震の被害に遭われた方々が、このような気持ちになるのは
まだまだもっと先のことだと思いますが
心に余裕を持てる日が一日も早く訪れることを願ってやみません。
また旅行を見合わされた方々も
いつか心から旅することを楽しめる日が訪れますように!