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2017年6月23日金曜日

「やまと尼寺精進日記」音羽山観音寺と聖林寺へ

NHK Eテレ、毎月第4日曜に放映の「やまと尼寺精進日記
全国放送の人気番組だそうで、ご存知の方も多いと思います。
奈良県桜井市、山の中にある音羽山観音寺に暮らすご住職たち3人の女性達の、山や里で採れた自然の恵みで丁寧に作られたお料理や、何とも愉快でユーモアに包まれた暮らしぶりが番組で紹介されています。
私もテレビを通してすっかりファンになり、一度行ってみたいと思っていたら、何度か観音寺を訪れたことがある友人がご一緒しましょうと誘って下さったのです。
(私が初めて見た番組は「やまと尼寺精進日記 霜月は忙しい」です)
観音寺の駐車場に車を置いてそこから、健脚の人なら約30分で登る山道。同行の友人からは、とにかく山道が急で険しい!と聞いていたので、運動靴にリュック、飲み水とタオルも用意して、杖をつきながら万全の体制でスタート。
道中ところどころに手作りの看板があり、頑張ろうと励まされます。
この日の予約は一ヶ月前に取ったので、梅雨入り中の大雨の心配もあったのですが、当日は好天に恵まれ、険しい坂道はさておき、木漏れ日の中を歩くのは楽しかったです。
30分ではちょっと無理、45分くらいかかって、最後の坂道。
この看板が見えたら、もうすぐそこです。
ほーっ、着きました。
この日に精進料理を予約していたのは私たちの他に、もう一組。
でもお寺にはハイキングがてらの参拝客が大勢いらっしゃいました。
本堂でお参り中に、七夕飾りの短冊に願い事を書いたり。
今月末から来月初めまでの一週間は、7月末放送予定のロケが入るそうで、この短冊もひょっとしたらテレビに映るかもしれません。
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そうこうするうちにお昼の用意が整い、場所を移ってお食事です。
お食事の前に出してくださった綺麗な色のお茶はドクダミ茶。
なんと、採れたての葉をお水と一緒にミキサーにかけただけというもので、ドライフルーツと一緒にさっぱりと美味しくいただきました。
そして左から一の膳、二の膳、三の膳とたくさんのお料理がならんだお膳に感嘆の声、まずは眼福をいただきます。
一の膳は青梅の甘露煮や梅ジュース、胡麻豆腐に筍団子も美味しく
二の膳では、マタタビの葉の天ぷら、芹やギンナンも天ぷらにしてあって、珍しい食材をいただきました。
手前は赤大根(大根を梅酢で紅く染め)に大葉と梅味噌を挟んで巻いてあるものや、いぶりがっこに手作りクリームチーズを巻いたもの。ベビーコーン、生麩、ズッキーニそれぞれに添えられた手作り味噌の美味しかったこと。
三の膳では、三輪そうめんのお鍋とデザートの手作りヨーグルト。このヨーグルトからクリームチーズも作られるのです。
完食できるか心配なくらいのボリュームでしたが、一つ一つに滋味があり 口福を感じながら、しっかりといただきました。ご馳走様でした。
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食後は少し境内散策。

この立派な大銀杏は、樹齢約600年。
イチョウの葉と一体になった珍しい実をつけるため「お葉つき銀杏」と呼ばれ、県の天然記念物に指定されているのだそうです。
お寺のパンフレットによると、胞子で増えるシダ植物から、種を持つ裸子植物への進化を証す古代銀杏ということです。
観音寺は眼病霊験の寺とあります。
同行の友人いわく、ここの湧水が目にいいそうでペットボトルに少しいただいて帰りました。副住職さんからも、先々代住職が水の成分を調べてもらったら「ホウ酸」が多く入っていたというお話を伺い、そういうところからも眼病霊験のようです。
また、ご本尊の千手千眼十一面観音様は、実際に千本の手を持ち、その手に眼がある、病気平癒に霊験のある「音羽の観音さん」と古来より親しまれてきた観音様。
平成の大修理の時に、台座から古銭(796年頃鋳造)が大量に出土し、創建は1200年以上も前ということ。いただいたパンフレットの「音羽観音縁起」を読んでも、談山神社創建の際に鬼門除けの寺として建てられたとあります。
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テレビの影響で、つい精進料理にばかり気を取られていましたが、ご由緒のある霊験あらたかなお寺と知り、また近いうちにもう一度お参りに伺いたいと思いました。
詳細はお寺のホームページをご覧ください。
(精進料理は要予約/3000円~です)
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観音寺は談山神社と聖林寺の間くらいに位置しています。
夕方少し前に下山できたので(山道の下りも、覚悟して下山ください)近くの聖林寺さんへもお参りに伺いました。
こちらも、先日の「新・日曜美術館」の中で紹介されたお寺です。
山門から見る大和盆地の眺めは、相変わらず美しく心癒されます。
いつもここでは「やまとは国のまほろば たたなづく青垣 山ごもれる やまとしうるわし」の歌が頭にうかびます。
山々の重なりが美しい大好きな奈良の風景。
そして年齢を重ねたおかげなのか、今回8年ぶりに訪れた聖林寺(過去記事はこちら)では、十一面観音像はじめ、どっしりとふくよかなご本尊・地蔵菩薩像と脇侍の掌悪童子、掌善童子。そして阿弥陀如来像や聖観音像、如来荒神像など、安置されている御像のすべてがしみじみと美しく、心に染み入ったのでした。
お正月三が日のみ公開されるという秘仏の弁材天・宝蔵天両像もいつか拝観叶いますようにと思いました。
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大満足の大人の遠足。
帰りは「大宇陀温泉あきののゆ」で汗を流しての一日でした。