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2018年2月10日土曜日

ひむろしらゆきサロン「絵で見る東大寺二月堂修二会」

毎月1日の夜に氷室神社で開かれる「ひむろしらゆきサロン」
2月は中田文花さんの「絵で見る東大寺二月堂修二会」でした。
「ひむろしらゆきサロン」に参加するのは初めてなので、講座の30分前に執り行われる「氷献灯」もさせていただきました。
お願い事を書いた絵馬をご祈祷していただいてから、その上に氷の灯りを灯して、皆で参拝。
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定刻になり、中田文花さんのお話が始まります。
文花さんといえば、お水取りが大好きで、自他ともに認める「お水取りマニア」として知られ、昨年も「小さなお水取り展」という、お水取り愛に溢れた作品展を催されていました。(ブログ記事はこちら
その時にも出品されていた、お水取りに因んで作られた小さな作品たちが、今回もお目見えしています。
文花さんのお話、まずは高校生の頃のできごとから・・・。
当時、薬師寺では伽藍復興のための百万巻写経勧進をされていて、それを漫画に描いて授業中に友人達に広めた体験が、「絵を通して 伝統文化や宗教行事を多くの人に伝え広めること」というご自身の活動の原点になっているとお話されていました。
大阪に生まれ育ちながら、心は奈良県民ですという文花さん。
高校時代の薬師寺と東大寺との出会いが、人生に大きく影響を与えたそうで、薬師寺の花会式のお手伝いをしたことで伝統行事を支える喜びを知り、花会式パンフレットの挿絵を20年間描いてこられたり。
東大寺とのご縁も同じく高校時代に。当時30代後半だった狭川普文管長のカルチャー教室の生徒になったところから。その後、二月堂でアルバイトをすることとなり、小学生の時に遠足で東大寺に来て、売店のお姉さんになりたいと思った夢を果たせたと。
その後、能楽師の方とご結婚。子育てに忙しい時も、小さい息子さんと一緒にお水取りだけは欠かさずに通い続け、子育てが一段落して、またお寺に通うようになって、そこで出合った方が在家得度をされていると知り、すぐに狹川普文師に「得度させてください」と手紙を書いて、東大寺で得度されたという経緯をお話くださいました。
こちらは、文花さん作成の「お水取り双六」↑と
「二月堂おたいまつMAP」↓
双六はお水取りをわかりやすく伝えるため、おたいまつMAPはお松明見学の文花さんお奨めポイントなどが描かれています。(これは私がお客さまにお伝えしているポイントとほぼ重なっていました!嬉しい)
このように、描くことで伝統文化やお寺の行事を伝えていくことが自分の布教活動だと。ただ伝統文化やお寺の行事は決まり事の世界であるから、そこに飛び込んで知って描くことが大切だとお話されていました。
この絵↑は、文花さんが描かれたお水取りの一場面。文花さんもいつかお水取りを描いた本を作ろうとされています。
杉本健吉、清水公照、前田青邨が描いたお水取りを絵にした作品を見せてもらった中で、室町時代に描かれた二月堂↓の柱が赤いことに驚き

 新薬師寺の住職だった福岡隆聖師の絵↑↓に惹かれたり。
さて、文花さんにとって33年間 通い続けたお水取りの魅力とは?
一つはお水取りは色んな物語に彩られているということ。
青衣の女人しかり、遠敷大明神しかり。
そして今年で1267回目になるお水取りの一度も途切れることなく続く不退の行法の、長い長い歴史の時間の中に自分もいるのだという感覚。
・・・ あぁ、これは私もいつも思うこと。二月堂の空間の中で修二会の聴聞をしながら、心は時空を飛びながらも歴史の一ページの中に今いるのだと感じるのです。
お水取りはビジュアル重視と絵描きさんらしく、情熱と根性で一番前を狙って最前列で聴聞するとおっしゃる 文花さん。お水取り愛に溢れた楽しい時間をありがとうございました。
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最後に「知恩院祈りの美 中田文花原画展」のお知らせ
4/4(水)〜4/14(土)10:00~18:00
知恩院 「和順会館B1ギャラリー和順」にて文花さんの作品展が開催されます!期間中毎日14:00から約30分、文花さんのギャラリートークもあり。是非お出かけ下さいませ。
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もう一つ、お知らせがてらの <<おまけの画像>> は
サロンの最後にふるまって下さった、花巻子先生考案の椿のデコ巻き寿司。花巻子先生こと本木美登里さんは、今年の「ひむろしらゆき祭」の実行委員長。開催日は5/5・5/6の二日間と決まりました。
そして、毎月1日に開催される「ひむろしらゆきサロン」の3月の講座は、名張の極楽寺から東大寺に運ぶ「伊賀一ノ井松明調進行事」を支えておられる「春を呼ぶ会」の方々の予定だそうです。楽しみですね。