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2018年2月17日土曜日

「風雨順時」

今年で1267回目を数える不退の行法、東大寺二月堂修二会。
一昨日15日に、一足早く試別火ころべっか入りされた新大導師さま。
戒壇院別火坊に入られるところの写真が、翌日の新聞各紙に載っていて、お水取りの始まりとともに、冬籠りの奈良倶楽部も「春を迎える」という気持ちを新たにしています。
こちらは、とある薬品会社のカレンダー。今年、大導師となられた上司永照師が、そのカレンダーに絵と文をかいてらっしゃいます。

「風雨順時」季節が季節通りに来ることを祈る 東大寺二月堂修二会
天地が安泰とは、自然の摂理通りに時が移ろうということだろう。風雨(季節)が自然の循環の中でやってくる・・・その中には地震や台風などの災害もありそのことを語るのは単純な話ではないが、その中でしか生きていけないのが私たち”生きとし生けるもの”である。私たち人間の過ぎたる行いが、気候に変調をきたす原因になるなら、結局それによって苦しむことになるのは人間を含む動植物である。求むべき幸せの行方を考える時、季節が季節通りに来る世の中ができるだけ続くことは必要不可欠の条件であるはずだ。
「風雨順時」きな臭い話題が現実味を帯び、異常と思える気象現象が頻発する昨今、最優先されるべき祈りの一つだと思う。

という文章が添えられています。

以前に、上司永照師のお水取りについての講座で
「お水取りが終わると春が来る」や「お水取りが終わらないと春にならない」など、お水取りは春を呼ぶ行事、春を迎える行事だと言われるが、春を迎えるとは、すなわち季節が季節通りに巡りくることだと、これは本当に大切な自然の摂理なのだというようなことをお話されていた記憶があります。

修二会は、鎮護国家、天下泰安、風雨順時、五穀豊穣、万民快楽など、人々の幸福を願う行事とされたと、東大寺のHPにあります。
今年の大導師作法の中で「風雨順時」はきっと大きな意味を持って祈願されるのではないでしょうか・・・。