1/27(土)から奈良県立美術館で始まった
「赤膚焼・奈良一刀彫・奈良漆器・・・悠久の美と技」
美術的にも優れた奈良の伝統工芸として、赤膚焼・奈良一刀彫・奈良漆器を取り上げた展覧会。会期早々に観に行ってきました。
実は・・・奈良に住みだした30年前の若い頃、これらの伝統工芸品の良さが今一つわからず、古典的なものとか土産物的なものと捉えていた自分を今とても恥ずかしく思うのですが、これはきっと「いいもの」を見ていなかった、目が肥えてなかったんだと思うのです。
今回の展覧会では、伝統工芸の「これまで」と「現在」の比較展示がされていて、これが大変良かったです。
近世・近代の匠たちが生み出した選りすぐりの名作が大変素晴らしいのと、いま活躍する作家たちの力作も見応えがあり。「伝統」と「今」の美の競演から奈良の歴史文化の奥深さまで堪能できたのです。
会期は3/25までとありますので、春の奈良へ旅する皆さま、是非この伝統工芸の世界へも足をお運びください。
連携イベントとして、1階ギャラリー(入場無料のスペース)では「奈良きたまちの古今拝見」が展示されています。
会期中に、奈良きたまちでちょっとオトクなサービスが受けられる「きたまちちょっとおトクなガイドブック」の配布もあり。ガイドブックで紹介するお店で「美術館シール」をもらって美術館で特典が受けられますので、是非ご利用くださいませ。(特典は会期中に限る)
また、先日のブログでもご案内しましたが、この展覧会に合わせて企画された講座や講演会が魅力的です。
先日は岡本先生の講演会「大和の美術工芸~近世から近代へ~」に途中から参加しました。肝心な内容を聞くことができませんでしたが、最後の30分という聴講の中で、印象に残ったお話は・・・
「伝統工芸も、ずっとあると思っていたら、もう20年後くらいにはなくなっているかもしれない。そうならないためにも作品を買っていかなければいけない」というような内容、「作り手を育てていくことが大切だ」というような意味のことをおっしゃってました。
「多くの人に観てもらい、伝統工芸の世界に触れてもらうためにも、美術館に常設のコーナーを作るべき」ともおっしゃってたような・・・。
本当にそうですね、まずは目を肥やしたいと思った展覧会でした。