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2012年7月3日火曜日

お水取りについてのお話会*「紙手」

先日奈良倶楽部で開催の「 お水取りについて」のお話会
上司永照さんが、修二会で使用する法具や経本などが入った
「牛玉櫃」の中のものを色々見せて下さったのですが、この中で
絵を描くのが好きな私の興味を引いたのが「紙手こうで」というもの。

「紙手こうで」とは「紙衣かみこ」と同じ「仙花紙せんかし」でできている
状差しのようなもの。二つ折りにして参籠宿所の壁に貼り
紙類などを差し入れて保存するのに使うのだそうです。
表には著名無名の画家の絵が描かれてちょっと洒落ています。

後で「紙手」を見せて頂く機会があり写真も撮らせていただきました。
一度の参籠で練行衆一人に10枚前後の「紙手」の奉納があるそうですが
参籠宿所の壁に貼れるのは2枚だけという決まりがあるのだそう。

そういえば・・・宿所の中の写真には
部屋の壁の下の方に2枚「紙手」が見えます。
上司さんのお話によると、枕元のあたりに貼るそうです。
(写真は小学館『東大寺お水取り』より)

また「紙手」は籤で配分されるということで
花鳥風月や身の回りの静物を描いたもの、仏の世界を描いたもの、歴史に因んだ故事、旅先の風景を描いたもの・・など様々な絵が、修二会の間、参籠宿所で練行衆の心を束の間和ませているのですね。
ちなみに、上司さんは旅情を誘う絵柄がお好みなのだそうです。

・・・今回、奈良倶楽部でのお話会には
ご近所の方もたくさん参加して下さいました。
東大寺境内雑司町界隈の”雑司ぞうし言葉”も交えての和やかなお話会。
忙しかったイベント期間中の3日間を終えて、少し落ち着いた今、あらためて、しみじみと有り難いお話を聴かせていただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

お話会に参加して下さったしをんさんがブログにわかりやすく書いて下さってます。こちら→