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2014年7月16日水曜日

大台ケ原へ行ってきました*

奈良倶楽部のオフシーズンである7月。
時間のあるときにこそ、かねてより行ってみたかった所へ旅してみようと、吉野熊野国立公園「大台ケ原」へ行ってきました。

大台ケ原というと、立ち入り人数を調整する「利用調整地区」に、日本で最初に指定されたところである・・・等々、入山するのに大変なところで、私のような登山慣れしていない者が行っていいのかな?という心配があったのですが、そちらは「西大台コース」の方で

もう一つのエリア「東大台コース」は一般向けの歩きやすいコースで、かなり整備がされています。道中には案内板や動植物等の解説板が設置されています↓ので、初心者でも心配なく歩くことができました。
いつものことですが、旅に出るといっても午前中の仕事を済ませての出発ですから、この日も奈良から車で約3時間の大台ケ原に到着したのは14時半頃でした。
今晩の宿を三重県尾鷲市に取っているので、逆算して16時半には帰途に着かなければいけない。要するに2時間しかない制約の中で、行けるところまで行って戻ろうということにしました。

蒸し暑かった奈良市内からは想像もできないくらい湿度もなく、標高1500mの高原の涼しさを満喫できます。
そして何より、緑の美しいこと!森林浴というのは、こういうことかと思えるほど気持ちがリフレッシュしていきます。

登山口から、上の写真の「現在地」までちょうど40分。
天気がよければ、ここから熊野灘や知多半島、そして遠くに富士山も望めるそうですよ。

ここからもう少し頑張って、日出ヶ岳の展望台(標高1694m)まで歩きましょう。急な上り道も、こうして整備されているので大変歩きやすいのですが・・・結構、後で足にきますよ。


日出ヶ岳の展望台からの眺めは360°パノラマビューですが、ちょっと霧が出てきました。
ここから180°くらいをスマホのカメラでパノラマ撮影↑(クリックで拡大)
晴れていれば大峯連山も見ることができるそうです。

大台ケ原といえば、トウヒの立ち枯れ風景とササ原が有名ですが
これは1959年に近畿地方を襲った伊勢湾台風がそれまで覆っていた森林を破壊し、その木々が流出したことによりそれまで地面に自生していたコケ類が衰退、代わって、ササ類が繁茂し始めたためです。またその笹を主食とするニホンジカの数が増え、針葉樹の実生や樹皮までも採食するといった複合的な要因によって現在の環境に至っているのですが、
「台風」「鹿」「人」をきっかけに傷ついた自然を元に戻そうという、自然再生に向けた取り組みも行なわれ始めています。

倒れた木の根っこ↓もオブジェのように思えますが
大台ケ原特有の風景にはこのような歴史があったのですね。

時間がないこともありますが、かなり霧も出てきて雲行きも怪しくなってきましたので、正木峠へ行くことを諦めて、登山口まで戻ります。

霧の中の木立もまた美しいですね。

登山口にある大台ケ原ビジターセンター↓へ戻ってちょっと復習。
今回 行けなかったエリアの様子も、いつかまた訪れることを願って、こちらで予習しておきましょう。

初めて訪れた大台ケ原。短時間の中で駆け足でさーっと体感しただけでしたが、次回はもっとゆっくり時間をかけて歩いてみようと、再訪を誓って山をおりました。
(この後は尾鷲へ、そして熊野へと続きます。)
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大台ケ原の詳しい情報は上北山村公式HP「大台ケ原」をご覧下さい。