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2014年7月31日木曜日

バルテュス展*京都市美術館

京都市美術館で開催中の「バルテュス展」に行ってきました。
ピカソをして「20世紀最後の巨匠」と言わしめた画家バルテュスの
「国内最大規模、没後初の大回顧展」が京都で開催されています。

バルテュスといえば・・・(事前情報として雑誌やテレビで見て知っただけですが)少女を描いた作品の印象があまりに強く、バルテュス本人の言う「この上なく完璧な美の象徴」という、その実物を観るのも楽しみでした。
バルテュスは「扇情的なポーズを取る少女というモティーフゆえに批判や誤解にもさらされた」そうですが、そのようなモティーフとは裏腹に、展覧会場で実際の絵に触れてみると、画面から漂うのは神秘的で宗教的な祈りの世界、とても静謐な世界でした。

とにかく、観終わって、久しぶりに「絵画」を鑑賞したという心地よい余韻が今も残っています。鑑賞中も、一定の緊張感を保ったままで、このままこの時間の中に永遠に閉じ込められていたいと願ったほどでした。このような感触は本当に久しぶり、心もたっぷり潤ったような気がします。

バルテュスの言葉の中で共鳴したものなど・・・「私は芸術家という言葉が嫌いだ。芸術家を名乗る者たちは創造という言葉をよく口にするが、その言葉自体きざなものだ。」「私は芸術家ではない。職人だ。」
作品完成に至るまでの、おびただしい数のデッサンも展示されていました。絵を描くことへの真摯な”職人気質”が現れていて、襟を正す想いでした。お奨めの展覧会です。

記念撮影コーナーのこの絵は、バルテュスがパリのシーフードレストランの壁にかけるために制作した「地中海の猫」。

「バルテュス展」
会場:京都市美術館
会期:開催中〜9月7日
開館時間:9:00〜17:00
休館日:月曜日