先日、土砂降りの雨の中、興福寺へ。
この日は、JR西日本の「ちょこっと関西歴史たび」での企画で
7/1より特別公開されている 興福寺「北円堂」と
8月9月に催される「中金堂再建工事現場特別見学」 の
観光業者・報道関係向けの内覧説明会がありました。
中金堂では、施工を請け負っている瀧川寺社建築の方から、大変詳しい説明を受けました。(これが大変良かった!そして、この説明は8月9月開催の「中金堂再建工事現場特別見学」でもされるとのことです。)
説明の中で印象に残ったことなど・・・
・中金堂再建では大手ゼネコンを入れずに、奈良の寺社建築専門の職人集団で造っている。(生駒の山本瓦工業と宮大工集団の瀧川寺社建築とのコンビは朱雀門、大極殿に続いて3度目)
・朱雀門や大極殿と違って、興福寺中金堂は文献がしっかりと残っているので、文献に照合して再建している。(天平時代の金堂で唯一現存する唐招提寺金堂も参考にしているそうです。)
・7回の焼失の度に再建されているが、全て当初の礎石を使っている。
・肘木ひじきの曲線は中国にはないもの。奈良時代に唐から教わった建築様式だが、日本独自の美意識を加えて「和様」として完成させている。
・技術自体は鎌倉期で完成しているが、その建築技術を現代まで受け継ぎ守ってきている。それが職人の誇りである。
・軒を支える尾垂木おたるきは、見えている部分より見えていない部分の方が長い。見えないところに材料を使うのは江戸時代まで。明治以降の構造ではない。
上の写真の斜め上方向に入っているのが尾垂木↑
中金堂一階の須弥壇の辺りでの説明。
・ここには仮金堂のご本尊がお越しになるそうですが、仮金堂は小さかったのでご本尊も小さいのですが、中金堂も本来より1m下がっているので、大きさ的には違和感はないそうです。
・正面の扉は三ヶ所。扉1枚の幅1.6m、高さ5m、重さ1t。
・四面には高さ4mの連子窓がつく。(古代の記録と同じ)
・須弥壇天井は丹色が塗られているが、柱部分はまだ白木のまま↓
・使用されている木材はアフリカ産のケヤキなど。
裏話的なことばかりを拾ってしまいましたが、実際に現場に携わる方からの説明なので聞いていて大変面白かったです。
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『中金堂再建工事現場特別見学(予約企画)』
・実施日:8/1・8/22・8/29・9/5・9/19・9/26の6回(すべて土曜日)
・集合場所:興福寺勧進所
・開始時間 14時から 所要時間 約1時間
・内容:中金堂一階部分にて再建工事現場特別見学
・料金:1000円(北円堂拝観券付)小学生以上同一料金
・問合せ:奈良市観光センター
・予約:前日17時までに要予約(tel:0742-22-3900) 各日先着50名
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興福寺「北円堂」特別公開は、9/30まで毎日(13:30~16:30)
こちらは定員制限なし・事前予約不要・受付16:15まで・有料です。
その他に8月9月には特別法話などの企画もあります。詳細はこちら★