奈良国立博物館で昨日より始まった、特別陳列「お水取り」展と「覚盛上人770年御忌 鎌倉時代の唐招提寺と戒律復興」展を観に行ってきました。(両展とも3/14まで)
この時期に開催される毎年恒例の「お水取り」展。
修二会に行く前の予習を兼ねて鑑賞される方も多いと思います。
実際に法会で用いられた法具などを見ていると、その時代その時代の息づかいがふっと感じられたりして、1200年以上の時の流れも自分なりに捉えられて、興味が尽きることがないのです。
今回の展示品の中で「薬壷」のキャプションに『天正6年(1578年)弥七という俗人が二月堂大宿所(参籠宿所のこと)に寄進した』と書かれてあって、信長の時代でしょうか?位のない普通の一般人が寄進されていることに、とても親しみを感じました。
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また、同時展示の「鎌倉時代の唐招提寺と戒律復興」展は、鑑賞するのを楽しみにしていた展覧会。
唐招提寺中興の祖・覚盛上人の御忌770年に当たって企画された、この展覧会では上人の事績とともに鎌倉時代の唐招提寺について詳しく紹介されています。
また、毎年、上人の命日である5月19日に執行される「中興忌梵網会ちゅうこうきぼんもうえ」の法要の様子などが(実は拝見したことがなかったので)よくわかったことや、覚盛上人の前後に活躍した貞慶上人・證玄上人にも触れられて『鎌倉時代の中興には鑑真和上への尊崇の念が貫かれている』というキャプションの一文にうるっとしておりました。
展示品の中で、覚盛上人のものと伝えられる「二十五条袈裟」が、ポジャギそのものでびっくりしたのですが、『もとは端切れを集めて作ったという袈裟の本義にかなったつくり』と説明にあり、成程~っと思った次第です。
それにしても・・・礼堂本尊である「釈迦如来立像」のお姿の美しいこと!「釈迦念仏会」に以前お参りした時に拝観しているはずなのですが、お厨子から出られたお姿を、かなり間近で拝観できて眼福に尽きると思いました。
特別陳列「お水取り」展
「覚盛上人770年御忌 鎌倉時代の唐招提寺と戒律復興」展
会期:~3月14日(木)
会場: 奈良国立博物館 東・西新館
休館日:2/18(月)・2/25(月)
開館時間 :9:30~17:00
※ただし以下の日は開館時間を延長
2/8・2/9は21:00まで 2/10~2/14は20:30まで
毎週金・土曜日は20:00まで
3/3~3/7・3/10・3/11・3/13・3/14は18:00まで
3/12は19:00まで開館(いずれも入館は閉館の30分前まで)
無料参観日:2/24(天皇陛下御即位30年を慶祝して)
関連イベント:2/16「親子WS オリジナルうちわ作り」
公開講座:2/16「修二会について」 筒井寛昭師
2/23「「覚盛上人の事跡―唐招提寺中興―」 野尻 忠氏