昨年に続いて今年も最終日まで聴聞を控えていました。
14日間、この日が来るのが待ち遠しくて、遠足を楽しみにしている小学生のように前日から荷物も詰めて、数日前からは音源を聞きながら佐藤先生のご本の内容を頭に入れて、どの局から拝聴するのがいいか・・・などなどシュミレーションに余念がありませんでした。
18時半からの「尻焦がし松明」を二月堂裏参道から見学して
結界の注連縄が外されるのを待って二月堂へ。
昨年のように、注連縄を切るのではなく外されました。
特に決まりはないようですね。
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さて、聴聞は東の局の北の方に場所を取りました。
ふだんの東の局でしたら、正面と反対側になり、ビジュアル的には見えるものが少なく声明に耳を傾ける局という認識なのですが(音は一番よく聞こえるのではと思っています)、最後の3日間(12~14日)は内陣の板戸を外されるので、ここから練行衆のいらっしゃる様子がしっかり見えるのです。
色々な場面でなさるお作法や所作。本や音源から仕入れていただけの知識を目で見ることができ、また遮るものがないので、練行衆の発する言葉もしっかりと耳に入ってきます。
何より東向きに座していらっしゃる咒師さんの真正面。目が合っているのではないかと一人でにんまりして、敬虔な気持ちで祈ることをすっかりどこかへ置いてきてしまった自分に苦笑い。
そして、東の局で見た舞台裏のような様子にまた感動しております。
咒師さんが咒師帽を被られる時に、衆の一さんが手を添えて後ろ側を直してあげてらっしゃる様子。走りの行法が始まる前の、無言行道で、順に後ろを向いて後続の人に一礼する所作。戸帳巻き上げは見えませんが、このような所作を見ることができ感動しておりました。
そしてそして、今日も絶対聞き逃さないぞと意気込んでいました「教化」の部分。頭とうを取る咒師さんを真正面に見ながら聞くことができ、その後に続く「九条錫杖」も頭が声明上手の咒師さんならでは!
普段の「法華懺法」の後に続く「九条錫杖」も大好きなのですが、頭が素晴らしいと安定して聞き惚れることができ至福のひとときでした。
そしてそしてそして、「名残の晨朝」。
喉を痛めて声が出にくい衆の一さんが時導師役でしたので、皆さんがカバーをしようと心を一つにされているのがよくわかる素晴らしいお声明でした。
・・・ということで、心から堪能した聴聞のひととき。
満室の奈良倶楽部を早い時間から出かけるので、留守居役を引き受けてくれた夫にも、「14日の聴聞をどうぞ楽しんでいらしてください」とメールをいただいた友人やお客様方にも感謝です。
ゆっくり「名残の晨朝」の余韻にひたっていましたが、平衆の下堂にも間に合いました。いつも修二会で出会う人たちにもお目にかかれて、観音様にもご挨拶して、帰りはお客様方とご一緒に、奈良太郎の午前1時の鐘の音を聞きながら帰宅しました。
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最後になりましたが、修二会期間中にご宿泊いただきましたお客様、どうもありがとうございました。みなさんのお話を聞かせていただいて、14日間、私も二月堂に通っているような楽しさをいただいていました。