十一面観音菩薩に罪や穢れを懺悔し、人々の幸せを願う祈りの行法。
「お松明」は、この行を勤める練行衆が二月堂へ上堂されるときの足下を照らす道明かりであって、「お松明」が修二会のすべてではない......
そう、頭ではわかっている。役目を終えたお松明が舞台をまわる頃
二月堂の中からは差懸のドン・ドン・ドン・ドドド・・・と床を踏みしめる音が聞こえて、これから法会が始まるのだということも。
でも、やっぱりお松明のすごさと言ったら!
夜空高く突き上げられ舞い上がる炎、飛び散り降りそそぐ火の粉
目も心も奪われ、わくわくと心が踊リ出す!
「ああ綺麗!」「ああ綺麗!」と何度となく洩れることば。
迫力ある炎の舞に、ただただ美しいと見蕩れてしまうだけの時間。
「お松明」、ものすごく美しかったです。
久しぶりに心から感動して、素直に心から有り難いことと思いました。
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毎日新聞掲載記事より・・・
「お水取り」の籠松明が宮城県多賀城市へ
3/10に行なわれる震災復興のイベントで20分間炎を灯して追悼。
北河原別当は「鎌倉時代の焼き打ちなどで過去に寺の存続が危ぶまれた時もお水取りは続き、東大寺は復興を果たしてきた。震災犠牲者の慰霊とともに、被災地復興への『道明かり』として籠松明が貢献できることを願う」と話した。
お松明の炎が東北の皆様の心を灯すあかりとなりますように。