深夜の聴聞は今晩が最後かな・・・と開業記念日の夜も二月堂へ。
裏参道まで来ると、脇を流れる小川のせせらぎ、水の流れる音に一瞬にして心が浄化され、結界を越えて二月堂、修二会の中へとまいります。
11日の夜の二月堂はひっそりと静かでした。
いつものように法華懺法の調べにうっとり耳を傾け、その後
半夜から後夜の本手水の間の内陣掃除の折、戸帳を捲し上げられた時に
局から見える荘厳された須弥壇、観音様にむかって
いつもお守りいただいていることの御礼をお伝えしました。
聴聞者の少ない局の中、ふと上を見上げると、天井が随分高いことに気がつきました。ずっとずっと1262年も続いてきた行法に関わってこられた人たちの魂が、この高い空間のどこかで見守りながらいらっしゃるのかなぁと・・・そんなことを想像しながら、私は奈良に来てからの24年間のあれこれを想ったり。
お声明の間に五体投地される練行衆。聴聞される方々も、背筋が一斉にすっと伸びて姿勢を正されたのも、後ろから拝見していて気がついたことです。
今年は、法華懺法に合わせた半夜の行法ばかりの聴聞になってしまいましたが、此処に来て静かに自分の心の中に向かうこともでき(と言いながら、まだ雑念も多いのですが)満ち足りた気持ちで帰路につきました。
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私は毎朝、お客樣方の昨晩の様子をお聞きするのが楽しみで
朝食の席で、お客様同士が それぞれのお水取りを堪能された様子をお喋りし合ったり、こちらのちょっとしたアドバイスがお役に立った時など、お手伝いできたことに喜びを感じます。「おかげさまで・・・」と喜んで下さるのが何より嬉しく、今年も充実感いっぱいで過ごさせていただくことができました。ありがとうございました。