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2013年1月12日土曜日

春日大社宝物殿と奈良国立博物館へ*

お正月過ぎてからゆっくり見に行こうと思っているうちに 
いつの間にか会期終了間際になっていた二つの展覧会。

春日大社宝物殿で開催中の「春日大社の国宝と北村昭斎」展と
奈良国立博物館「おん祭と春日信仰の美術」展へ
お散歩がてら見に行ってきました。

「春日大社の国宝と北村昭斎〜春日大塗師職・人間 国宝の漆の技と宝物〜

春日大社に伝わる平安時代の漆工芸品には、国宝指定の逸品も数多く
平安の正倉院にも当たるとして高く評価されています。

この展覧会では、春日大塗師職おおぬししょくとして40年にわたり、春日大社の漆工芸作品の調査・修理や復元に取り組んでこられた
人間国宝・北村昭斎氏により修復された「蒔絵箏まきえのこと」↓や
国宝 蒔絵箏
「金地螺鈿毛抜形太刀きんじらでんけぬきがたたち」↓など
国宝 金地螺鈿毛抜形太刀 部分
作られた往時の姿が美しく甦った作品や、さらに昭斎氏ご自身の代表作品などが多く展示されています。

修復された実際の国宝宝物と、高度な技術により再現された復元品。
古来より受け継がれてきた伝統の技を、古き名宝に学びながら新しい発想で現代の作品に活かした昭斎氏の螺鈿や蒔絵の世界は気品高く美しく
改めて日本の伝統工芸品の素晴らしさを認識させていただきました。


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奈良国立博物館「おん祭と春日信仰の美術」展

おん祭の時期に合わせて毎年開催されている展覧会ですが
今年は、江戸時代におん祭を描いた絵画が多く出陳されていました。
「松の下式」を見学がてらお渡り式を最初から最後まで拝見しましたので、どの作品にも親しめて、見ていて楽しい展覧会でした。

併催の 「あらたに修理された文化財」展
近年修理を受けた収蔵品の中から選りすぐった作品を展示公開し
あわせてその修理内容をパネルで紹介する作品展。
修理内容のパネル説明を読みながら
以前(2010年2月)文化財保存修理所特別公開に参加した時に説明を受けた、絵画部門の補修について、集中力と細やかな神経を使う根気の要る作業に、あらためて大変な仕事だと敬意を表するのでした。

そして今年も「文化財保存修理所特別公開」の申込みを受付けされています。開催日は2/15。申込みは往復ハガキで郵送、2/1必着です。
詳細はこちらを参照して下さい。