ページ

2017年1月31日火曜日

第7回「観光力創造塾」に参加*

1月30日
tetsudaさんのブログで知って第7回「観光力創造塾」に参加しました。
当日のレポ詳細はtetsudaさんのブログをご覧いただくとして・・・
奈良倶楽部通信では、別の角度からご紹介します。

<<第一部 基調講演>>
奈良市立一条高校校長の藤原和博氏の「大仏よ、立ち上がれ!」。
ここで「遊び」と「戦略性」を備えた演出面の大切さを訴えられました。
内容としては・・・
①移住して感じた奈良の良さ
②奈良で出会った人とどのような仕掛けをしているか
③一条高校でしていること
④大仏は立ち上がるか
・・・といったテーマで進みました。

その中で面白いなぁと思ったのは・・・
①奈良に2年の期間限定で移住するにあたり、ご高齢(91歳と86歳)のご両親との3人で近鉄奈良駅前近くに引っ越してこられたこと。
このことを聞いて、なぜか私は藤原氏の母上の気持ちになって、年老いた母として晩年にもう一度息子と気兼ねなく暮らせることの幸せを羨ましく思ったり、よく決断されたことと驚いたり。そして男一人の単身赴任では得られない情報も妙齢女性の社交力でキャッチできるのではと、(もう一つ言えば、妻の立場からも私なら有難いと思うな~と)成程~と、講演の冒頭から感心した次第でした。
で、その母上情報もあって、移住して感じた奈良の良さに「奈良の飲食店で料理がまずかったことはない。特に奈良の野菜には力があり美味しい」ことと、どこででも親切に丁寧に対応してくれる「奈良の人の人柄の良さ」、そして「奈良公園に鹿がいる風景」に癒される鹿セラピーができる土地である点などを挙げられました。

②奈良で始めた面白い仕掛けは「かき氷製造機」と「新礼服」。
詳細は藤原氏のHP「よのなかnet」の各リンク先をご覧いただくとして、その発想力と行動力にただただ凄い人と感心しきりでした。
ここでちょっと余談です。
喪服の色は何故黒色なのか?明治時代までは喪服と言えば白だったそうですが、明治天皇の大喪の礼の折、諸外国の人の礼服は黒だったのでそれに合わせた→民衆では白黒まじっていたが、太平洋戦争時にお葬式が多く、汚れの目立たない黒になっていった・・・のだそうです。
というように、常識だと思っていたことが覆されることもあるという例えで、礼服からこんな話へと。
また、かき氷製造機の話から、かき氷が片手で食べられたらいいのにという発想から生まれたのが「ガリガリ君」だそうで、こちらも「遊び心」と「戦略性」を備えた演出が大事ということをおっしゃってました。

③一条高校で取り組んでいる「スーパー・スマート・スクール」
生徒自身のスマートフォンを使った授業で誰でも気軽に発言・質問できる環境にされたことなど。(詳細は毎日新聞の記事をご覧ください。)
また一条高校の講堂を新しく建て替えるにあたって、建築家・隈研吾氏に設計を依頼できれば、素晴らしい建築物ができ、それだけで観光客を呼び込めるのではと意気込んでおられました。設計デザインを見せて下さいましたが、とても美しい建築でした。これは是非実現してほしいですね。

④さて、大仏様に象徴される奈良の観光は立ち上がれるか?
ここまでで、約140名の聴衆相手にブレーンストーミングや、一つの言葉を一斉に唱和させたりと、一方的に講演されたことをただ聴いているだけではない動きも取り入れて、奈良は素材はいいのに演出が下手、遊び心と戦略性が必要と訴えられて基調講演を締めくくられました。
 
<<第二部 パネルディスカッション>>
5名の有識者による「ここに注目!奈良県観光」をテーマにした討論会。
約2時間、貴重な意見も飛び交ったのですが、詳細レポについてはtetsudaさんがブログアップしてくださることを願って、ここでは省略させていただきます。
::
当日、会場の東大寺総合文化センター前からみた風景。
山焼きの後の黒くなった若草山です。
::
最後に藤原氏のTwitterより・・・
今年の年賀状に使われた写真を拝借させていただきます。
若草山からの夕景をバックに鹿が立ち上がっている風景。
この写真を年賀状にして、多くの友人知人に奈良の空の美しさ、夕景の美しさをアピールしてくださったそうで、来年は是非、奈良の朝の空の美しさを年賀状に使っていただければと願っています。
目から鱗の斬新な発想をたくさん聴かせていただきありがとうございました。