1月9日、春日大社「嘉例ノ登拝」で御蓋山に登拝させていただきました。
昨年は仕事を休めずに2年ぶり、4回目の参加になります。
コースや内容は例年とほぼ同じなので過去記事をご覧いただくとして
(2013年★ 2014年★ 2015年★・・・特に2013年の記事には行程など詳しく書いています。)
今までと違ったところなどを記しておきますね。
まずは、大好きな御蓋山。上の写真は以前に若草山から撮ったものですが
今回、登山途中、頂上間近の辺りですーっと視界が広がるところがあり
振り返れば、若草山がすごく近くに見えたのです。
(冬の若草山は若草色ではなく枯葉色ですが↓)
前日の大雨で地面がすごくぬかるんでいて、ずるりーと滑りそうになりながら、気を抜かないで一生懸命歩いていたので、この景色は周りの人に声かけてもらうまで気が付きませんでした。
そして、昨年今年は3連休中の登拝になりましたので、参加者も多く100名以上の大人数でした。ゆっくり慎重に登りながら4~50分ほどで本宮神社に到着。それでも列が長いので全員が揃うまで随分時間がかかります。
昨年の式年造替で本宮神社もすっかり綺麗になっています。
参拝を終えてから記念写真を。
以前の写真(2013年★)と比べてみると一目瞭然!
美しいお社にお参りしながら気持ちもわくわく嬉しくなっておりました。
(参考までに以前のお社が笠置寺へ「春日移し」された過去記事はこちら)
さて、前を行く神職の方が、随分重そうに担がれているのは何でしょう?
実はこの中にはお札とお守りが入っているのです。
100名以上のお札とお守りなので相当重いそうですが、山頂の本宮神社でお浄めしていただき、最後に授与していただきます。(一番下の写真)
帰りの下山コースは少し緩やかな南ルートで。
こちらのルートはご神木の緑が生き生きと美しく、歩いているだけでとても清々しくて心が躍りそうです。
また来年まで入山できないのだと、神様のお山に入らせていただける有難さを胸に刻みながら下山しました。
下山後は、今までは古くからのご祈祷所「桂昌殿」にて大祓詞をお唱えしたのですが、今年は何しろ大人数のため桂昌殿には入れないそうで「感謝・共生の館」に設えられたところで、みんなで合わせて千度祓いを唱えました。(今年は7度のお唱えでした。)
大祓詞をお唱えしたあとの瞑想・祈りの時間(静かに心の内面と向き合うひととき)もただただ有難いという気持ちでした。
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そして直会はいつもの「神仙境」で。
1月7日のご祈祷始式参列者に饗される「中旬の献」というお膳です。
饗膳きょうぜんといって神饌として神様がお召し上がりになった御供のお下がりを神様のご加護に預かりいただきます。
お澄ましが2種類、どちらも大変おいしく
また御供えのお下がりとしてお酒もたくさんいただきました。
全国の信者さんから奉納されたお酒や出羽三山の行者さんがお持ちくださったお神酒など、皆さんで和気藹々と楽しくいただいたのでした。
2年ぶりの登拝。
この間に加齢とともに膝を悪くして、果たして無事登拝できるのだろうかという不安もあったのですが、やはり一年の始まりに気持ちも新たかに、ご神体山の清々しい気をいただける「嘉例ノ登拝」はなくてはならないものになっているのでした。神恩感謝。
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「嘉例かれいノ本宮登拝」とは・・・
遠く鹿嶋の国から白鹿に乗ってこられた神様(武甕槌命たけみかづちのみこと)が御蓋山に降臨された日と伝えられている正月九日。
鎌倉時代の「古社記」によると、春日明神は神護景雲二年正月九日に御蓋山に降臨、同年十一月九日に麓の現社地に造営遷祀なったと伝え、室町時代末期以降の神事日記には、毎年一月九日に数名の神職が御蓋山に登り、本宮神社前で百座・二百座の中臣祓を奏上とあり、この神事は幕末まで続いていたそうです。(十一月九日には、今も宮司以下が登拝し、例祭が斎行されている)
ご神体山として普段入山できない御蓋山ですが、一月九日に行なわれていた「嘉例ノ本宮登拝」が平成20年に再興されて、一般の希望者も参加できるようになりました。