ページ

2017年5月14日日曜日

「氷室神社しだれ桜 ​花咲寄進の集い​」へ*

5月14日 夕刻 氷室神社
映像作家・保山 耕一さんの呼び掛けで開催された
「氷室神社しだれ桜 花咲寄進の集い」に行ってきました。

氷室神社のしだれ桜は、奈良で最初に咲く、春を告げる桜として、多くの人達に愛されてきました。
近年、樹勢の衰えが目立ち、現在は樹木医による樹勢回復が行われていますが、桜を守るためには、毎年多額の費用が必要となります。
しだれ桜を残してくれた先人に感謝し、次の100年にも桜を受け継いでいけるようにという主旨のもと、保山さんの呼びかけで集まったアーティスト達が、朗読や書や映像や音楽を奉納し、参加者も賛助金という形で奉納に参加させていただけるという集いでした。
興福寺の午後6時に撞かれる鐘の音を遠くに聞きながら・・・
大宮宮司による祝詞奏上に始まり、岡本彰夫先生の「祈りのことば」の朗読。そして、松前旅館の女将さんでもあり書家でもある桃蹊さんが、拝殿にてライブで書をかいてらっしゃる間の張りつめた空気感も素晴らしく(その間、井原季子さんによる鳳笙が奏でられ)、その後に二胡演奏と朗読と盛り沢山に奉納演目が続きました。
こちらが桃蹊さんの作品。
奉納中はもちろん写真撮影禁止ですが、この作品は終演後に拝見できるようになっていました。(およそ2m四方くらいの大きな作品です)
この後も、ぬいぐるみ作家・野原レンゲさんの五連座による物語「とことわの桜」の上映(これも大感動!)。
そして、石川重元海龍王寺住職の進行で、大宮守人・氷室神社宮司 と平井宗助・ひむろしらゆき祭実行委員の桜トークがあり、大宮宮司のお話から、今回の催しが、単にしだれ桜の回復のための浄財集めという目的だけではないことを知りました。(ブログの下段に、伺ったお話の印象に残ったことを書いています。)
この頃、東大寺の奈良太郎の鐘の音が響いてきました。
本当に何とも言えない贅沢な時間!
そしてそして、楽しみにしていた保山耕一さんの映像です。
奈良の季節の巡りをその時々の花々や自然で表現した映像は、すみかおりさんのピアノに乗せて。(すみさんのピアノの音は、タイムドメインという奈良で製産された高品質のスピーカーを通して。)
またもう一つ、氷室神社のしだれ桜の映像はチェロの生演奏を伴奏にして上映されました。(これがまた素晴らしすぎる!)
この後に、チェロや二胡、ピアノのトリオ「Pi・er・cello(ピエセロ)」の演奏があり、ぐいぐい引き込まれて、本当に感動的でした。
演目の最後は、氷置晋さんとすみかおりさんが、それぞれ歌とピアノを奉納演奏されました。
すでに夜も更けて最後の最後には、3年前に空撮機材で映像制作されたしだれ桜が大きく映し出され、その作品に添えられた「花は咲く」を参加者で合唱して終了となりました。
(その空撮されたしだれ桜はこちら→
大宮宮司のお話から・・・
古来、氷室神社は「元春日」とも「春日古社」とも云われ、春日大社とともに春日野に鎮座ましますところでありました。
その氷室神社に咲くしだれ桜は、春日野に春を告げる桜であり、春の彼岸の頃に咲く桜である。この桜を親桜として、実生の苗を育てこの春日野一帯に植えて広めて、彼岸の日の御蓋山から昇る日の出とともに、桜の開花を寿ぎたいという・・・それが100年先、200年先にも続くよう先人の一人として、桜の生命を守り繫いでいきたいという想いをお持ちなのでした。
大宮宮司監修で、春分の日の御蓋山から昇る日の出を、ドローン撮影された映像はこちらです→