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2011年11月1日火曜日

「正倉院展」へ*

11月です。今日は、とても穏やかで暖かなお天気。
そんな奈良は今、正倉院展開催中と重なって
観光シーズンたけなわ、大変多くの人で賑わっています。

奈良倶楽部も多くのお客さまにお越しいただいて
皆さま、今年も「正倉院展」を堪能されているご様子です。



私も早速、初日に鑑賞してきました。
昨年や一昨年に比べて、出陳品に華やかさがないという前評判もありましたが、いえいえそんなことはございません。



ポスターやチラシにもデザイン化されている「金銀鈿荘唐大刀きんぎんでんそうのからたち」は、うっとり見惚れる美しさで、天平の煌めきを今に伝えています。
また、織りの密度がとても高くて、素人の私が見ても美しい布!と感嘆してしまう「紅布」など、遥か遠い昔の天平時代と現代との時間的距離を感じさせない工芸品の数々。

こんな宝物を目の前にして、色々な妄想膨らみ想像して楽しめるところが正倉院展の魅力かもしれませんね。

そのような「ツボ」にはまったと今回 感じたものは
「沈香末塗経筒じんこうまつぬりのきょうづつ
豆科の種と丁子の蕾を表面に配した文様がオリジナリティ溢れていると感心。


こちらは「三鈷杵の箱」↓
三鈷がぴったりと収まるように作られていて、右側の蓋の中央部に付いている二本のホゾを身(左側)の孔に挿し込んで固定する仕組みになっています。きっちりとした仕事なのに、そのユニークなデザインがほっと感じさせて面白いと思いました。


チケットのデザインにもなっている「紅牙撥鏤尺こうげばちるのしゃく
つい先日、撥鏤ばちるを作ってらっしゃる方がご宿泊下さったので
こういうお仕事をされているのかと、間近で見て親近感を感じました。


他にもあれやこれや興味を覚えるものもたくさんあって
帰ってからまた図録を読んでは「あれとこれを、もう少ししっかり見ておけばよかった」と思ったり。
今年はほとんど待ち時間無しで入場できるようですので
できればもう一度訪れてみようと思っています。



買ってきた正倉院展の図録を置いています。展覧会前の予習や
お帰りになってからもう一度 図録でお目当ての展示品をチェックされたりと、お客樣方も予習復習を楽しんで下さってます。

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ところで、正倉院展のチケットについてですが。
昨年までは近鉄奈良駅で、会期中でも「前売り券」を購入できたのですが、今年からは前売り券の販売がなくなり、当日券の販売になっています。(当日券は会期中有効です)

今年の状況を知らずに、奈良倶楽部をご予約の際に「当日でも駅で前売り券を購入できますので」と何人かのお客さまにご案内してしまいました。ご迷惑をおかけしてしまいましたがどうぞご容赦下さい。
(その当日券も駅で購入しておかれた方が、博物館で購入するよりも並ばなくていいと思います。)

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正倉院展のあとは博物館本館の「なら仏像館」へ。
9月までだった東大寺法華堂の仁王さんたちの後に、第3室にはどなたが鎮座されているのだろうと気になっていました。一足お先に鑑賞された美術鑑賞部員さんによると、中々の美丈夫な方だそう。
気になりながら「なら仏像館」第3室を真っ先に覗いてみました。
わ〜!これはこれは!

河内長野市金剛寺の降三世明王坐像。
ぐわっと見開いた目が怖いというより、何故か可愛いと思ってしまう不思議な魅力を感じる方です。振り返っても目と目があって、そのうちにくりっとした目が笑っているように思えるから不思議ですね。また会いに来たいと思う仏像でした。

「正倉院展」
11月14日まで、会期中無休。
9:00〜18:00(金・土・日・祝日は19:00まで。入館は30分前まで)