下七日の3日目、3月10日。
本行が始まってから、午前中の二月堂に行くのは今年初めてです。
閼伽井屋はもう榊で囲まれて、厳重に祓い浄められていました。
12日に上げられる籠松明も食堂や仏餉屋に立てかけられていました。
その仏餉屋の中には・・・
お水取りの時に、閼伽井屋から香水を二月堂に運ぶ時に用いられる閼伽桶の担い台が、榊で飾られて置かれていました。
12日の「お水取り」まであと2日の二月堂では、修二会の別名「お水取り」への準備が着々と整っている様子で、また満行まで後4日の今日は、厳しい行も後わずかなところにきているせいか、二月堂周辺の張りつめた空気の中に少し和らいだような、行の終わりが名残惜しいような雰囲気も感じられました。
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食堂作法の準備を前に、破れ釜もスタンバイOKです。
この底の抜けた大鍋「まんしょ」は、食堂に担がれて入ってきて一旦床に置くとすぐさま帰っていくという不思議な所作をするもの。(床にコトンと置く音を合図に食器が引かれるとか)
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さて、本日の目的は参籠宿所へのお見舞いです。
3年前に奈良倶楽部で開催した「上司永照さんのお水取りについてのお話会」のご縁から、上司さんが練行衆として参籠されると、参籠お見舞いにお伺いさせていただくようになりました。
今日は雪のちらつく冷え込みの厳しい一日でしたが、練行衆の皆様のお元気なご様子、お若い方達のはつらつとしたご様子や、ご家族の方もいらっしゃっての和やかな様子に、こちらが元気をいただいたような気がします。
宿所中庭にある水道管が凍らないようにの工夫↑が何ともいいですね。
梅の花、水仙の花も咲き始めて 「お水取りが終わると春がくる」という言い習わしが頭に浮かんだ、春の訪れが待ち遠しい一日でした。