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2015年4月23日木曜日

東大寺 知足院のナラノヤエザクラ

 
(2009年4/22 撮影 知足院のナラノヤエザクラ)
昨日の東大寺境内「ナラノヤエザクラ」巡りで最後に立ち寄ったのは、知足院です。ここには、国指定天然記念物の「知足院ナラノヤエザクラ」(原木)を接ぎ木したナラノヤエザクラが2013年まで確かにあったのですが(2014年は知足院を訪ねなかったので確認できず)、その木が伐採されて見当たらず、2009年の強風で倒れ枯死した原木と同じ遺伝子を持つ純粋種の若木が植樹されていました。

写真で説明しますと・・・
知足院の急な坂道を登って行くと 上の写真の右手にあった大きなナラノヤエザクラ(接ぎ木)が見当たらず、フェンスの中の囲いの中に若木が一本あるだけでした。
若木にはちらほらと花がついていて、確かにナラノヤエザクラです。
フェンスの外には伐採された後の切り株が。
追記:伐採されたナラノヤエザクラは、遺伝子が交ざらないように、根っこを掘り起こして取り除かれたそうです。
と、ここまでが昨日撮影の写真です。
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過去ブログより写真を

この写真↑が天然記念物のナラノヤエザクラを接ぎ木したもの。
2011年
2012年
2013年

この接ぎ木の原木が2009年の強風で倒れ、その時、原木の横に幼木が出てきていたのですが(2010年のブログ参照)、結局この幼木は育たなかったようで、原木が枯死しました。その後、同じ遺伝子を持つ成木を養殖し組織培養法による増殖に成功。昨年、天然記念物「知足院ナラノヤエザクラ」のあったところに植えられたということです。(詳細は奈良県のHPをご参照下さい。こちら
また接ぎ木が伐採されたのは、原木と同じ遺伝子と交ざらないように淘汰されたそうです。

奈良県の県花でもあるナラノヤエザクラをもっと増やしていこうと、この2~3年、奈良公園の至る所に、ナラノヤエザクラが植えられ始めています。(奈良公園内には約800本のナラノヤエザクラがあるそうです)
奈良公園内のナラノヤエザクラの遺伝子が天然記念物「知足院ナラノヤエザクラ」と同じであるかどうかはともかく(同じでない方が多いようですが) 、それらも含めて広く「ナラノヤエザクラ」と思って構わないというのが、奈良県森林技術センターの見解のようです。

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ところで、私も会員になっている「奈良八重桜の会」では、2009年に純系種の遺伝子を持つナラノヤエザクラを法華寺、興福寺、東大寺に植樹され、皇室にも献上されました。
昨日、今日と、東大寺と興福寺の「奈良八重桜の会」が植樹した純系種のナラノヤエザクラを見てきましたので写真をアップしておきます。
 東大寺では、大仏殿入堂口西側に植樹されています↑↓
興福寺では登大路側に植樹されています。
囲いの中の、か細い木が純系種のナラノヤエザクラです。
後ろの松の太い幹が目立っていますが手前の細い幹の木で、まだ蕾が多く、花は咲き始めていません。左に植えられた純系種でないナラノヤエザクラの方は満開に近く、純系種の方が開花時期が遅いようですね。
(もう一ヶ所、法華寺に植樹されたナラノヤエザクラは、来週にでも見に行ければいいなと思っています。)

4月も終わりになると、花追い人の関心もさすがに桜から離れつつありますが、ちょうど見頃のナラノヤエザクラの追っかけ、もう少しお付き合い下さい。
ということで、明日は興福寺に咲くナラノヤエザクラに続きます。