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2010年6月26日土曜日

奈良少年刑務所詩集「空が青いから白をえらんだのです」

注文していた詩集が届いたので早速読んでみた。


奈良少年刑務所の更生教育である「社会性涵養プログラム」から生まれた作品を中心に編まれた詩集で、作者は受刑者たち。
編者は、このプログラムの「童話と詩」担当講師の寮美千子さん

詩などほとんど書いたことがない受刑者の綴る言葉は
それだからこそ、作為的でなく純真無垢な宝石のようで
純粋でやわらかな心がそこから垣間見えます。

彼らが詩という形で表現した感情を受け止め育て伸ばしていく。
決して一方的な指導、与えるだけの教育ではない授業の様子が
巻末に詳しく書かれていて、ここを読んだだけでも感動するし
一般の学校教育もこういう風な授業があればいいのにと思うくらい
魅力的なプログラムです。

奈良少年刑務所は奈良倶楽部から徒歩15分位の所にあって
明治時代に建てられた赤煉瓦のりっぱな洋風建築の刑務所です。
この建物が近い将来に取り壊されるということなのだそうですが
「取り壊し」だけは何とか阻止したいと思っている私。
先日の写真展で拝見した、建物内部の美しい写真が
詩集の中にはたくさん掲載されています。
素直に表現された言葉の数々とともに
是非見て読んでほしい一冊です。

奈良倶楽部の図書室にも置いていますのでどうぞご覧下さい。