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2010年11月1日月曜日

「第62回 正倉院展」へ*

今年も1250年の時空を超えた"たからもの"に会ってきました。

「正倉院展」・・今年は平城遷都1300年や光明皇后1250年御遠忌
という節目の年に当り、出陳品の中でひときわ注目を集めているのが
現存する古代の五弦琵琶で世界で唯一の 「螺鈿紫檀五弦琵琶」。

白い螺鈿に施された線刻の無駄のない動きのある描写や
槽の全面に施された唐花文様の華麗なデザイン・・・。
本当にあでやかで溜息の出る美しさです。
さて、今年も個人的に好みだったものを、図録より拾っていきましょう。私の中で正倉院展のツボなところは

1000年以上も前のものが、これほど丁寧で繊細でデザイン性に優れていて、色彩ひとつ取っても、こういう配色でくるか、と。精巧な細工の技術も素晴らしいけれど、デザインや色合いなどの美的センスというか、とにかく美意識の高さに毎回感嘆の声を上げています。
  (昨年の鑑賞記より)

その精緻さの中にキュートな遊び心溢れるデザインを見つけた時こそツボなわけで・・♪
図録の中表紙のデザインも↓そんなところを押さえていますし。
高さ50cmほど、胴回り62cm弱、重さ37kgの大きな銀の壷にも
こんな絵柄があちこちに。↓
丈の長い上着に染め出された愛らしい鳥のデザイン。↓
この文様の古裂残欠は3年前にも出陳されていて
同じようにブログに写真をアップしていました。
こちらも衣の上に描き絵で文様を表した珍しいもの。↓
描かれているのは華やかな花鳥文。
その装飾から見て舞楽の装束であったらしいです。
そして、一押しのツボはこの水差し「佐波理水瓶さはりのすいびょう
だって、注ぎ口が髭面のおっちゃんユーモアな人面ですからね!↓
例えば、深刻な政治の会談の場で、この水差しが出ることによって
その場の空気が変わるとか、そんな場面を想像して観ていたのですが
図録の解説を読むと東大寺の仏前供養で用いられた水差しのようです。

「色彩ひとつ取っても、こういう配色でくるか」と今年も思ったのが
この色麻紙いろまし。あ〜もうセンスいいんだから!

と、このようなツッコミを一人で入れながら観て回るのが
わたし流正倉院展鑑賞の楽しみ方です。ほとんど感覚的にしかモノを
見れないので、自分ではこれでよしとしています。

毎年すごい行列で1~2時間待ちの時間帯もありますが
私は必ず最初の日曜日の午後4時半頃に行きます。
観光バス一行が引き上げ、オータムレイトチケット入場前の時間帯が
今までの経験上で待ち時間が少ないように思うのです。
(今年は「新日曜美術館」放送後の日曜日に行きましたが)

そして毎年同じ事を書いていますが、今年も同様に・・・。
1250年以上も前の品々が、このような美しい状態で保存され残っているという事実にまず敬意を、そしてこうして1250年もの間、脈々と次世代へ繋いでいくという意志や知性に、日本人としての誇りを感じました。

参考までに、奈良倶楽部通信内「正倉院展」過去記事です。
2007/10/28(日)
2008/10/26(日)
2009/10/25(日) (鑑賞日は前日の土曜日)

「第62回正倉院展
会期:10月23日(土)〜11月11日(木) 会期中無休
時間:9:00〜18:00 
※金、土、日、祝日は19:00まで(閉館30分前まで入館可)
会場:奈良国立博物館 東・西新館

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今年のオータムレイトチケット*
オータムレイトは、閉館の1時間30分前以降に販売する当日券。
(販売は博物館の当日券売場のみ)
オータムレイトチケットには、記念品として昭和23年開催の
「正倉院展」ポスター図案の散華型しおりが進呈されます。