ページ

2010年11月4日木曜日

正倉院展とセットで楽しむ「花鳥画」展*


正倉院展で賑わう奈良国立博物館のすぐ近くの奈良県立美術館。
こちらで開催中の「花鳥画」展の後期展示に行ってきました。
いよいよ「宗達、若冲、雪舟、等伯」が登場です☆

前期展示を鑑賞して、その内容の素晴らしさに感嘆していましたが
後期展示も見どころ充実の展覧会になっています。

展覧会のチラシには「正倉院の時代から雪舟、宗達、若冲まで」と
目を引くコピーが踊っていますが、(コピーに「等伯」がないのは、等伯の作品は「伝・等伯」であるためでしょう。)実際の展示では 特に特別扱いされることなく、さりげなく展示されていています。

これは、この展覧会の趣旨である
古くから日本へ感銘を与えてきた中国・韓国の花鳥画の美に触れていただくと共に、それらを摂取し展開させながら日本が生み出してきた数々の名品を併せて展示することにより、両国の美術と日本の美術の深い関係、および日本における更なる創造のありさまを示します。
を踏まえているからだと思いました。
俵屋宗達の小品。
水気の多い墨と柔らかい筆触で描かれたその技法が、朝鮮王朝時代の李厳による影響とも。地面を嗅ぐ子犬の横に描かれた蕨や蓮華草がはかなげで、さり気ない展示とはいえ、やはり目を引く作品でした。

そして若冲30代後半の作品が最後に2点。若冲ならではの
葉の虫食いや枯れたところまではっきりと描写した写実的な作品。
でもやっぱり若冲。

雪舟にしても、やっぱり周りの作品と違う何かを発しているのです。
こういう『気』とかオーラみたいなのを自分なりに感じる瞬間が
美術鑑賞の醍醐味ですね。

前期展示を鑑賞の中でも紹介していますが
正倉院の時代の工芸品も多く展示されていますので
正倉院展とセットでの鑑賞をお楽しみいただければと思います。

また、来年(2011年)3月末までですが
「奈良トライアルミュージアムズ」として
奈良国立博物館・奈良県立美術館・入江泰吉記念奈良市写真美術館の
いずれかの入館券の半券で、他の2館で入館料金の割引がありますので
あわせてご利用下さいませ。

::

「花鳥画」展
会場:奈良県立美術館
会期:11月14日(日)まで。後期は会期中無休。
時間:9:00〜17:00(金・土曜日は21:00まで開館入館は閉館30分前まで