驚かれるかもしれませんが、実はワタクシ
12日の「籠松明」を見るのは初めてです。
(少し前振りが長くなりますが・・・)
12日は毎年大勢のお客さまが籠松明を見るためにご宿泊下さいます。
この日ばかりは、いつものお松明と違って人出も大変多く混雑しますので、お松明も一方通行での見学になり、あまり遅い時間に行くと、最後の一本か二本を遠くでやっと見ることができた・・・というような状態になってしまいます。
待ち時間の長さと見ることができるお松明の本数を考慮して
ベストな出発時間をお客さまにご案内するのが
この日の私の一番の仕事でしょうか・・・。
そして、見学から帰ってこられたお客さまに様子を聞いておいて
また来年のお客さまへの参考にする。
・・・と、このような12日の過ごし方をして参りました。
お松明見学に出発されるお客さまを見送ってそれで精根尽きて
その後に自分が見学に出かける元気も出ずに、仕事をしている限りは
毎年「籠松明」は、見ることはできないものと思い込んでいましたが。
「百聞は一見にしかず」ではいけないので
今年はこれまで見たことがなかった修二会の行の数々を
体力と時間が許す限り聴聞してみよう!と
実は修二会の始まりに自分で誓いを立てたのでした。
(まだブログアップできていないのですが、3/1未明の「一徳火」にも出かけているのです。)
お客さま方の出発よりも遅れること半時間。
お松明点火の1時間半前に二月堂に到着しました。
この時点で、三月堂と四月堂の間の広場はかなりの人人人!
そこにかろうじて滑り込み、そのままここで立って待つ時間のこれからを想像すると、ちょっと引いてしまうのですが、周りの人々の話し声に耳を傾けていると、案外皆さん予備知識無しに来られているのだな・・・と、ついレクチャーしたい衝動にかられたり(笑)して、何とか時間を消化して、さぁいよいよ点火です。
2本目のお松明が舞台に上がるまでは最初に立っていた場所で静止して、3本目が上がる頃には少しずつ前へ移動させられてます。
一旦動き出すと、立ち止まって写真撮影できる余裕がありません。
たえず、ひっきりなしに「立ち止まらないで下さい」「立ち止まって写真撮影はしないで下さい」という警察官の声。
それでもちょっと止まって写した写真はやっぱりブレブレばかりでした。
舞台の北西角に突き出されたお松明はほとんど見えなかったのですが
舞台を走るお松明は移動途中で綺麗にみることができました。
籠松明はかなり重いので、舞台を走るというよりは
ゆっくりと担がれて行くという印象でした。
また重いためか、豪快にお松明を振り回すこともなくて
火の粉が舞い落ちる様子はそれほどでもなかったと思いました。
それでも大きな籠松明から上がる炎は二月堂の屋根よりも高くて
真下に移動中に見た時は思わずその迫力にびっくりしたのです。
燃え尽きるお松明。
籠松明の中に組み込まれた「ケズリカケ」の残骸が浮かび上がって見えます。
私のコンパクトデジカメでは「籠松明」の迫力ある大きさを
十分にお伝えすることができずに残念ですが
私よりももう半時間早く出発されたお客さま方は
最初の静止位置がもっと前だったので
「迫力あるお松明を近くで見られて感激しました!」と喜んで下さって、何よりよかったです。
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トップの画像は、12日のお昼間に二月堂で。
一枚目は夜の出番を待つ「籠松明」
二枚目は12日の「加供松明かくたいまつ」・・・三度の案内で加供さんが持つ手松明もこの日は常より大きく、御幣をつけ盛り塩をして参籠宿所入口に飾られています。
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結局この日私が見ることができたのは7本目まで。
11本全部を見ることはできませんでしたが
「籠松明」の炎の大きさを体感でき満足でした。
そして帰り道。
手向山八幡宮参道には数百余りの竹灯籠が並んでいました。
ロウソクのゆらめく灯りを見ていると、先程見て来た二月堂での喧噪とはまた違った幻想的な世界で、温かくて優しい気持ちに包まれます。
沿道にはたくさんのボランティアの方がいらして
竹灯籠に何か書きませんか・・と奨めて下さいましたので
ちょうど前日の11日が奈良倶楽部の開業記念日(23周年!)で
12日から24年目を歩み出した日を記念して
「ありがとうございます」と感謝の気持ちを記させていただきました。