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2012年3月31日土曜日

春の浄瑠璃寺*


清川妙先生の随筆『兼好さんの遺言』の中に
奈良倶楽部と浄瑠璃寺のピンクの馬酔木の花のことが登場するのですが、今週末に清川先生ファンのリピーターさんが九州からお越し下さいますので、もう咲いている頃かな?と気になって浄瑠璃寺まで出かけてきました。

参道の真っ白い馬酔木の花はたわわに満開。

清川先生の随筆から言葉をお借りすると・・・
連なるあしびの、花ざかりの木々。
つややかな葉かげから、房のように垂れている小さな壷のかたちをした花々。群れて、あふれて咲いているその花群はなむらを、そっと握ってみると、見た目のやわらかさに似ず、なんとなく造花っぽい張りを持つのもおもしろい。そして、ほのかな、つめたい香り。



参道の桜の蕾もほころびかけていて。
あぁ当尾の里にも春が訪れている・・・
私も先生のように、胸はやる思いで三重塔の方に向かいます。

ところが、ピンクの馬酔木の花の様子が今ひとつ芳しくありません。

まだ咲ききっていないのでしょうか・・・。


そして浄瑠璃寺では現在
池の護岸工事や発掘調査など庭園保存修理工事が行われていて
何だかすっきりしているといえばそうなんだけれど
ちょっと風情にかけるような雰囲気でして・・・。

そんなことを思いながらも
水面に本堂が映っているのは今だけの風景かもと写真を撮ったり

九体阿弥陀如来像の堂前にはそれぞれ重厚な板扉。
さすがは国宝、どっしりとした風格を感じさせてくれます。

晩秋の頃には色鮮やかに紅葉していた木々も葉を落とし
今はただその枝ぶりの繊細な造形美を誇るだけ。

2年前の3月に訪れた時
、参道の木蓮の大きな木には
飛び立つ小鳥の群れのような白い花がびっしりと咲いていたけれど

う〜ん、今年は全てのお花の開花が遅すぎるのですね。

浄瑠璃寺の春爛漫は少々期待はずれでしたが
門前のお店でとても美しいものを見せていただけるという
眼福に与ることができました。
さて、そのお話はまた後日・・・(続く)

*浄瑠璃寺の写真は全て3/27に撮影したものです。*