修二会期間中の奈良倶楽部では
少しですが、修二会関連のものを
お客さまに見ていただけるように展示しています。
写真右より午玉札、御壇供が入っていた箱、椿の造花、チョロ松明。
チョロ松明の燃え残りは
10年程前に彫刻家のM先生からいただいたもの。
毎夜の初夜上堂松明が上がる前に加供さんがこの手松明を持って
参籠宿所と二月堂の間を三度往復されます。
ご友人をお松明にご案内して奈良倶楽部に寄って下さったM先生の「ほらっ」と無造作に差し出されたご様子が昨日のことのように思い出されます。
椿の造花は
お水取り研究の第一人者で知られる、敬愛するS先生より。
ちょうど椿のお花ばかりいけていたのをご覧になった先生が
「椿をお好きなあなたに差し上げましょう。お泊まりのお客さまにもお見せになりなさいな」と後日送って下さったもの。その年々によって紅色が微妙に違うことも、煤で黒くなった椿があることも知ることができました。願っても手に入れることができない貴重な椿をいただけて、望外の幸せとはこのことと思った次第です。
そして、十一面観音さんにお供えの御壇供と
行中8日9日に練行衆によって刷られるお守り札・午玉札は
ご家族皆さんで、お松明の竹を奉納されているY様よりお裾分けしていただきました。
御壇供の大きさがこの箱からわかりますので
ご覧のお客さまに喜んでいただいてます。
東大寺にご縁の深い方々から、こうして気にかけていただき
本当に有り難いことです。どうもありがとうございました。
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今年はちょうどお水取りの時期に合わせて
お庭の椿が満開に咲き誇ってます。
お庭の椿の中には、一種類だけ「糊こぼし」のように
白い糊が一筋こぼれたような椿もあるのです。
愛らしい椿の花が一輪あるだけで
春待ち遠しく心も華やいできますね。