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2013年2月24日日曜日

ハワイ島紀行②〜マウナケア*虹と満天の星

今回の旅の一番の楽しみが「マウナケア山ツアー」でした。

富士山よりも高く標高4205m、ハワイ諸島の中で一番高い山「マウナケア」。ハワイ語でmaunaは「山」、keaは「白い」という意味だそうで
「白い山」の名の通り、常夏のハワイでありながら冬になると雪が降るそうです。ただ、今回のツアー時には雪は降っていませんでした。
(でも氷点下の寒さでした。)

マウナケア山は4000m級の高い山でありながら、とても滑らかな斜面で形成されているため山頂まで車で登頂でき、マウナケアツアーは人気の観光コースになっています。・・・といって、簡単に誰でも参加できるのかというとそうではなく、高山病に罹らないために参加規則も厳しいようです。
この写真は、標高2000m辺りの なだらかな山の斜面を覆う溶岩で、マウナケアと並ぶハワイ島のもう一つの山、マウナロア山から流れ出たものです。この辺りで一度、車から降りて、4000mまでの高さに身体を慣らしていきます。
溶岩大地も圧巻ですが、山の斜面には緑豊かな牧草地帯もあって、北米一広大といわれる「パーカー牧場」の牛や馬、山羊や羊、野生のダチョウなども車窓からたくさん見かけました。

そうこうしているうちに、標高2800mに建つ「オニヅカセンター」という休憩所に着きました。夕方の16時頃でしたが、ここで幕の内弁当とお味噌汁の支給があり各自夕食を済ませます。1時間半ほど休憩して時間調整し、山頂でサンセットを迎えられるようにします。
「オニヅカセンター」で休憩中に見た虹の美しかったこと!
虹というのは、遠くの空の彼方に儚げに見えるものと思っていましたが
虹の出発点がわかって、七色も識別できるくらい近くに見たのは初めて!天からの素晴らしい贈り物でした。

こちらは「銀剣草ぎんけんそう(Silversword)」という珍しい高山植物。
世界に三カ所だけ、ヒマラヤとマウイ島のハレアカラ、ハワイ島のマウナケアだけに生息しているという希少な植物で、葉が銀の剣のように見えるから銀剣草。
銀剣草はとても繊細で、人間が触ると低温火傷状態になり枯れてしまいます。根元も踏まないように石で囲まれ保護されていました。

では、日没時間に間に合うように山頂に向かいましょう。
氷点下ー7度の気温で日本から着ていった冬装束の上に、まだもう一枚貸出のダウンコートを着ます。高山病にならないように3500m辺りで
もう一回 車から下りました。
トップの画像もそこで撮ったものですが、雲の上にいます。

山頂の方を見ると、世界11ヶ国13基の天文台がずらーっと並ぶ光景。
こちらが日本の望遠鏡「すばる」↑
もう少し高いところまで登ってこの辺りからサンセットを見ます。
ちなみにマウナケア山の本当の山頂は夕日と反対の方にあるこちら↓で 4205m。かつては王族しか山頂には登れなかったというくらい神聖なところです。
 現地時間の18時過ぎ・・夕陽がゆっくりと雲の中へ沈んでいきます。



夕陽に照らされて紅く染まった雲海、どこまでも澄み渡る空。
静かに流れる時間の中、寒さも忘れて魅入っていました。

その後はもう少し下におりて、満天の星空観察。
後で知ったのですが、天文台の星空観測のために車のライトなどが邪魔になるため、日没後30分以内に山頂から降りないといけない決まりがあるそうです。
これは月のクレーター。ツアーガイドさんが望遠鏡を設置して下さって、そこから覗いたものです。
圧倒的なボリュームで迫り降ってくる星の群れ。教科書で知っている星座も肉眼ではっきりと見えるし、360度満天の星!
日本では見ることができないという「カノーブス (中国名:南極老人星・別名:長寿星)」という星の、ダイヤモンドのような輝きも見ることができました。
ただ私のカメラではその星々を写すことができずに残念ですが・・・。

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初めてのハワイ島で、マウナケア山へ行けたことは何よりの思い出。
いつかまた行くことがあれば、今度は夜中に出発して朝に帰ってくる「サンライズツアー」にも参加してみたいと思います。

長々と書き綴りましたが、どなたかの旅の参考になれば嬉しいです。