岩船寺を訪ねたのは今週始め(6/16)のこと。
快晴続きの中の一日、境内の紫陽花は少し萎れ気味でした。
そしてまだ五分咲きの様相でしたので、雨の予報のこの週末から
ちょうど見頃になるのではと思います。
紫陽花の本数は約5000株、35品種と境内を埋め尽くすほどの圧倒的な多さではありませんが、境内の至るところ、そこかしこに咲いている風情が何ともよくて、境内を散策しながら色とりどりの紫陽花を楽しむことができます。
ガクアジサイやヤマアジサイなど珍しい品種も多く
花の色もたくさん、そして境内の楓の緑とのコントラストも美しく
三重塔の朱色にも美しく映えるのでした。
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本堂の中には、京都国立博物館「南山城の古寺巡礼」展 に出陳中だった普賢菩薩騎象像が不在のお御簾の中に描かれた絵など、この時期しか見られない貴重なものもありました。
本堂前の阿字池には睡蓮の花も咲いていました。
朱色に緑が美しい!
三重塔には隅鬼さん!
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そして今回の訪問で初めて知ったのが
三重塔の裏手、どんどん山の方に散策路が続いているということ。
こんな広場もあって、この辺りの紫陽花も綺麗でした!
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そしてこちらも初めて足を伸ばしたのですが、歓喜天さま。
そこからまだ上の方へ、「貝吹岩」を目指します。
急な上り道ですが
緑の木立の中を歩くのは楽しい!
ようやく山頂へ。これが「貝吹岩」です。
岩船寺は、天平元年(729)に聖武天皇の勅願によって行基が阿弥陀堂を建てたのが始まりと伝わり、その後、弘法大師と智泉大徳(弘法大師の姉の子)に
よって堂塔伽藍を建立。最盛期は広大な境内に39坊が立ち並ぶ大寺だったが、承久の変(1221)によって大半が焼失しました。
その最盛期に、一山の僧を集めるために法螺貝を吹き鳴らした岩がこの「貝吹岩」です。ここからの眺めは絶景でした!
南山城の景色が一望できて、これは嬉しいことでした。
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帰りに、浄瑠璃寺前の「吉祥庵」さんへ、ちょっと寄り道しました。
涼しげなしつらいの店内。店主の守田蔵さんの洗練された美意識を愛でさせていただける楽しみも、ここを訪れる理由の一つかもしれません。
葛きりをいただいて、守田さん夫妻と、この辺り山城地方がいかに素晴らしいところかというお喋りを楽しみました。
そして最後に見せていただいたのがこれです。
正倉院に伝わる八本の「撥鏤」を再現する仕事にこれから取り組んでいかれるという、新たなことをお聞きしたのでした。
数年後に見せていただけるのをとても楽しみにしています。
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守田さんの「撥鏤」については、過去ブログ★をご覧下さい。
岩船寺についてはこちら★をご参照下さい。