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2014年4月7日月曜日

「今西家書院」見学と桐野伴秋さんの写真*

この「又兵衛桜」の写真は、写真家・桐野伴秋さんの作品展のチラシです。先月(3/21~3/23)のことでしたが「今西家書院」にて、桐野さんの写真展と、能管奏者・野中久美子さん演奏会四季の光~櫻の音なひ~』が催されていました。会期が終わってからのブログアップになってしまいましたが、一度伺ってみたかった「今西家書院」見学の様子と併せてご紹介します。
今西家書院は永く興福寺大乗院家の坊官を勤めた福智院氏の居宅を大正13(1924)年、今西家が譲り受けました。一説には大乗院の御殿を賜り移築したとも伝えられています。
室町時代における初期の書院造りの遺構は重要文化財指定。
中では随時カフェの利用もできます。
また3日前の要予約でランチもいただけます。
ビデオカメラを構えているのは桐野さん。この時、奈良倶楽部にご宿泊いただいていました。桐野さんは、キャノンの2013年版海外企業向けカレンダーに選ばれた方で(世界中の写真家から一年にたった1人が選ばれるという!)、何だかとてもすごい写真家の方。
桐野さんの作品は写真というより絵画のようなアーティスティックな作品で、今回は日本各地の桜の姿を追った作品が中心でした。
奈良の桜「又兵衛桜」も威風堂々の花姿で素晴らしかったです。

さて、今西家書院内部の様子ですが・・・。
角柱・障子・襖など書院造りの要素がふんだんに盛り込まれて
ひとつひとつ説明を聞きながら見学しました。
例えば、この障子は敷居ひとつに二枚の障子がはまっているので、閉めると一枚の大きな障子に見えるのです。
天井の造りもそれぞれの部屋によって工夫があり興味深いです。
茶室の杉の網代編みの天井には龍が描かれています。
こちらも網代編みの天井。太い杉板で編んでいます。
こちらは煤竹の天井、昔は囲炉裏があったそうです。
書院の間への玄関口の屋根は唐破風、檜皮葺き。
蔀戸は上下二枚に分けられ、上部は撥ね上げ、下部は濡れ縁に立てかけてあります。・・・と、色々詳しく説明を聞きながら見学しました。





今西家書院(重要文化財)」
住所:奈良市福智院町24-3 
TEL:0742-23-2256
見学時間:10時〜16時(受付は15:30まで)
休館日 :月曜日・夏期・冬期イベント開催時
見学料金:350円、※学生・シルバー(70歳以上)300円

それにしても、桐野さんの「又兵衛桜」の写真、美しいですね。

陽がのぼって柔らかな光りに包まれる瞬間を捉えたという一枚で
うっとりしながら眺めています。

余談ですが、奈良倶楽部のお客様の中にもここ数日は 宇陀や榛原をはじめ、奈良県下の一本桜や吉野山の桜を撮影される方が多くお泊まりで、早朝5時出発だったりと・・・奈良倶楽部館内には、只今「花追い人」のエネルギーが満ちあふれているのです。
そんなお客樣方をお見送りするばかりの私は、お客樣が素晴らしい桜に巡り会われますようにと祈るだけですが・・・(本当は付いて行きたい!のでした)